ロシアの地政学的リスクは?
ロシアについては、資源外交により巨額の富を得たことにより、経済力が飛躍的に高まったわけですが、その動向は気になるところです。
というのは、米国が旧東側諸国へのミサイル配備を進めていることにより、米ロ間の緊張が高まっているからです。
これは、旧ソ連によるアフガニスタン侵攻のような事態が起こり得る可能性があるということです。
資本主義移行への過渡期においては、米ロ協調路線でしたが、ロシアの反米感情は予想以上に強いとも言われており、国力の復活とともに再び対決路線に回帰する可能性も否定できない状況です。
なお、「金」のほか原油や天然ガスなどの資源大国ロシアには、チェチェンなど国内のテロ問題を抱えていることも頭に入れておきたいところです。
中東の地政学的リスクは?
中東では、イランが欧米の反対を無視する形で核開発を進めていますが、欧米だけではなく、イスラエルが「イランにはあらゆる可能性を排除しない」と発言するなど、今後の展開次第では一触即発の雰囲気さえ漂う危険がつきまといます。
また、イラク国内の紛争も依然として沈静化する兆しはないどころか、イラクにはトルコとクルド人組織との軍事衝突という新たな火種も生じています。
さらに、イスラエルとパレスチナ、レバノン、シリアなど周辺諸国との和平への道も依然として開けていない状況です。
こうした中、金相場は、イスラエルと周辺諸国との小さな衝突にも反応するようになっています。
なお、スペインやイギリスでの爆破テロなど、テロの脅威、あるいは地政学的リスクは、世界的規模で拡大しています。
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