鉱山会社のヘッジ売りとは?
鉱山会社のヘッジ売りというのは、かつて金(ゴールド)を採掘する鉱山会社が、「金」の値下がりリスクを回避するために、先物市場で「金」を売却してきたような行為のことをいいます。
このヘッジ売りは、金価格がピークをつけた1980年から底入れした1999年までは、鉱山会社にとって有効な手段でした。
しかしながら、金価格が底入れしてから上昇トレンドに転じてからは、売れば売るほど損失が膨らむという状況が続いています。
そうしたこともあり、近年の金価格高騰を受けて、鉱山会社は新規のヘッジ売りを抑制し、反対に売り建玉を買い戻して損失処理を急いでいるということです。
つまり、「金」の先物市場で継続的な売り手として君臨していた鉱山会社が、現在では買い手に回っているということです。
金先物市場の需要(買い手)と供給(売り手)のバランスが変わった?
鉱山会社の中には価格高騰によってヘッジ売りを再開するところもあるようですが、かつてのような売り一辺倒ではなくなっているようです。
これは、「金」の現物価格、金ETFの価格に大きな影響を及ぼす金先物市場において、需要(買い手)と供給(売り手)のバランスが大きく変わり始めているということです。
金鉱山会社最大手のパリック・ゴールド(カナダ)は、すでに損失処理を終えたそうですが、他の大手鉱山会社には未だ未処理のヘッジ売りが大量に残されているといわれています。
金価格の先高期待を背景とした、鉱山会社によるヘッジ売りの買い戻しは、今後も続くと予測されますから、金先物価格の下支え要因となることは間違いないといえそうです。
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