「金」とドルは密接な関係にある
金(ゴールド)とドルとの交換が、1971年8月のニクソンショックによって停止されたことから、金本位制は崩壊しました。
しかしながら、1973年に主要国通貨が変動相場制に移行した後も、「金」とドルは密接な関係を保ってきました。
というのは、もともと「金」とドルは、逆相関の関係にあったからです。
「金」とドルの逆相関の関係とは?
海外の機関投資家やオイルマネーなどドル建ての資産を持っている人は、ドル安になると資産価値が減ることになるので、ドル安へのヘッジ対策が不可欠でした。
そこで、リスク分散の対象として「金」が注目を集めることなり、ドル安になると金価格が上昇するという傾向にあったのです。
反対に、ドル高になると「金」は売られやすいという傾向が続いていたのです。
ところが、最近はドル高になっても、インフレ懸念の浮上とともに「金」は買われやすくなっています。
つまり、ドル高=金安、あるいはドル安=金高とは限らないという状況になっているということです。
このように、金価格とドルの動きというのは、常に公式どおりというわけではありませんので、金価格の先行きについては、為替相場のみならず、インフレの動向にも注意する必要があります。
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