現在「金」が買われている理由は「有事」だけではない?
1980年当時、金価格は歴史的な高値をつけたわけですが、これは、相次ぐ有事によって金価格が短期間で暴騰したことによります。
しかしながら、現在「金」が買われているのは、単に有事を理由としたものではなく、欧米の機関投資家や中国・インド、オイルマネーなど実需の裏付けがあることから、1980年当時とは様相を異にしているといわれています。
そうはいっても、「有事の金」が復活したわけですから、今後も地政学的リスクは金価格の最大の変動要因になると思われます。
「有事」はいつもある?
「有事」がいつ起こるのかということについては、予測することは不可能です。
しかしながら、地球上には様々な異なる民族や異なる宗教が存在しているわけですから、国家間や民族間の紛争がなくなることはほぼないといってもいいのではないでしょうか。
また、日本人がより身近に感じる脅威としては、軍事大国の道を突き進んでいる中国の存在があります。
中国が毎年膨大な予算をつぎ込んで、軍拡を進めているのは、台湾海峡における「有事」を想定してのものかもしれません。
さらに、北朝鮮の核問題についても、思うように進んでいない現状をみますと、朝鮮半島の地政学的リスクも存在しているといえます。
日本の周辺地域で軍事衝突が起これば、日本に駐留している米軍が参戦し、日本が戦争に巻き込まれる恐れもないわけではありません。
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