機関投資家の長期資金が大量に金ETFに流入
欧米の機関投資家は、金ETFを通じて「金(ゴールド)」への投資を加速させています。
米国の同時多発テロを契機に、欧米の機関投資家は、株式や債券以外の新たな投資対象として、不動産投資信託に注目してきましたから、当初、「金」は運用対象には入っていませんでした。
これは、「金」の現物を購入すると保管コストがかかるだけでなく、盗難のリスクもあったからです。
しかしながら、この状況は金ETFの登場により一変します。
というのは、もともと「金」は株式などとは異なる動きをしますので、代替投資の対象としてはうってつけだったこともあり、機関投資家の長期資金が大量に金ETFに流入したからです。
また、金価格は物価の上昇に連動しますので、原油だかに伴うインフレ対策としても有効です。
これは、インフレで預貯金などお金の価値が目減りしても、「金」の価値は反対に高まるからです。
さらに、金ETFでしたら換金性についても安心です。
つまり、かつての金市場というのは、先物市場で短期売買を得意とするヘッジファンドが買い(需要)の中心だったわけですが、欧米の機関投資家が金市場に参入したことにより、長期運用を前提とした実需の買いも期待できるようになったのです。
欧米の投資家の動向を分析するには?
欧米の投資家の動向を分析できる要因としては、次のような点など数多くあると思われます。
■米ドルは信頼を取り戻すことができるのか
■米国国債の金利は上昇するのか、あるいは下落するのか
■今後も原油高やインフレ懸念が続いていくのか、あるいは沈静化していくのか
■穀物や鉄鉱石など高騰を続ける商品価格はどうなるのか...など
このような材料を詳細に分析していくことにより、欧米の機関投資家や年金資金の金ETFへの投資が今後さらに本格化していくことが予測されるものと思われます。
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