どのような場合にインフレが起こるの?
インフレーションとは、紙幣の価値が下落し、物価が上昇することを意味しますが、このインフレーションというのは、次のような場合に発生します。
(1)実体経済も好調であるけれど、物の売れ行きも良いことから、物価がどんどん上昇していく場合
(2)実体経済がしぼんでしまい、実際の経済を反映した紙幣の価値も下落してしまう場合
(3)実体経済よりも紙幣が刷られすぎ、世の中に紙幣が出回りすぎている場合
欧米のサブプライムローン問題に端を発する金融の信用不安の連鎖は、まさに(2)(3)の場合であり、ダブルパンチを受けたといえます。
つまり、(2)の場合、金融不安が起きて企業の設備投資が減少し、住宅ローンの返済や失業が広がることによって、消費が減少し、実体経済が冷え込むことになるのです。
また、(3)の場合は、金融機関を救うためや、住宅をなくした人や失業者のために国債を発行すれば、財源がないときには償還の際にドルを発行することになるということです。
現在の紙幣システムのリスクとは?
そもそも米ドルを基軸通貨とした現在の紙幣システム自体に、次のような懸念される状態が内包されているといわれています。
■現在のドル紙幣は、「金(ゴールド)」などの実物の価値に裏付けされていないこと。
■米ドルは世界の基軸通貨として世界中のあらゆるところに流通していますが、このすでに流通してしまっている状態をコントロールすることは非常に困難であること。
■米ドルを発行するニューヨーク連邦準備銀行というのは、国際金融資本の配下にあることから、政策決定の主導権を握られているので、私意が反映される可能性があること。
ちなみに、上記の国際金融資本の私意が反映される可能性についてですが、国際金融資本というのはすでに「金」を大量に保有していますので、将来的に各国の中央政府が金本位制の準備のために「金」を集めると、保有している「金」を高く売却することができます。
また、その売却した「金」の見返りとして、金兌換紙幣を手に入れることができれば、さらに「金」に裏打ちされた価値ある紙幣を持つことができるということです。
なので、このようなことが起こるかもしれないということを考えますと、米ドルがインフレーションを起こす土壌はすでにあるわけで、米ドルに連動して円もそのインフレーションの影響を受ける可能性があります。
よって、今後起こる可能性のあるインフレ対策として、紙幣に変わる「金」を保有しておくのもよいと思われます。
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