LTCMの破綻
1996年に大きな経済危機であるアジア通貨危機が起こり、東南アジアを中心とするアジア諸国から、これらの国々に投資されていた資金が大量に海外へと流出し、その結果、アジア各国の通貨が急落しました。
このとき、アジア通貨の売りを仕掛けたのがヘッジファンドです。
ヘッジファンドは、翌年には、今度はドルと円の金利差に目をつけ、円売りポジションをどんどん積み増していきました。
そのような最中、ロシアで経済危機が発生し、ロシアに巨大な投資をしていたLTCMというアメリカのヘッジファンドが破綻寸前にまで追い込まれました。
ただし、当初はその報道に対して、市場は大きく反応しませんでしたが、市場の流動性は次第に低下していきました。
その後、10月8日から翌9日の2日間で、何と20円もの急激な円高になりました。このように、ポジションが一方向に極端に傾いた状態は、ある意味危険であるといえます。
というのは、いったん相場が逆の方向に動き出すと、これまでのトレンドが一気に崩れ、市場がパニック状態に陥るケースがあるからです。
市場が大きく変化するときは予兆がある?
大きな変化の前には、乱高下が起きやすく、相場の値動きが大きく変化することが多いですから、普段の相場の値動きには十分な注意を払ってウォッチしていくことが大切です。
また、市場の流動性が落ちたと感じたとき、すなわち値動きが荒くなり、取引が薄いなと感じたら、いつもよりもレバレッジを低くするように心掛けることが必要です。
大きく動くときというのは、儲かりそうな気もするのですが、一度、相場の方向が逆にブレると、負け方も大きくなりますので、できれば慎重に取引したいところです。
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