絶対的購買力平価説とはどのような理論ですか?
輸送コストや関税などがかかりますので、自動車やテレビといった個々の商品の価格を比較すると、国によって異なることはあるかもしれないというのは、前述したところです。
しかしながら、自動車、パソコン、レタス、クリーニング代といった複数の商品やサービスを1つの買い物カゴ(バスケット)に入れて、その買い物カゴの価格が日本で200万円、アメリカで2万ドルであるなら、1ドル=100円が購買力からみた適正水準であるとする考え方もあります。
このような理論のことを、絶対的購買力平価説といいますが、これは、平均的な物価水準に為替相場の基準を求めています。
相対的購買力平価説とはどのような理論ですか?
相対的購買力平価説というのは、物価の上昇率、すなわちインフレ率が為替相場を決めるという考え方です。
相対的購買力平価説は、絶対的購買力平価説よりも説得力があるといわれていますが、それは、買い物カゴに入れる商品をまったく同じにするのは困難ですし、税金も国によってまちまちだからです。
物価上昇率は、モノに対するお金の価値の増減を表しますので、各通貨の相対的な強弱を測る尺度としてふさわしいといえます。
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