ユーロのこれまでの傾向
2003年のイラク戦争以降、欧州の景気拡大やECBの高金利政策により、ユーロを買う動きが続いたことから、2007年頃までは米ドルに対して上昇する傾向にありました。
しかしながら、その後のサブプライム問題に端を発した金融危機は、アメリカの金融機関のみならず、世界的に展開する欧州の大手銀行にも大きな打撃を与えました。
具体的には、金融機関の危機が産業にも波及するというアメリカと同じ事態となり、ECBは金利を急激に引き下げたことから、2008年の夏以降には、ユーロも対米ドル、対円で大きく下落しました。
ユーロは米ドルと逆相関?
ユーロは、米ドルに次ぐ取引規模を持っていることから、唯一米ドルに代わりえる存在であるといわれており、そのため米ドルと逆相関として動く性質があります。
また、サブプライム問題以前の金利は4%台であったことから、外貨預金や投資信託などを通じて日本からの投資も拡大していました。
現在では、ユーロの金利による有利さについては、相次ぐ利下げで薄くなりましたが、取引規模が大きいので、極端な値動きをすることの少ない通貨であり、今後も重要な存在であり続けることには変わりないと思われます。
EUには財政の安定度に注意?
EUは、アメリカと比べて財政規律が厳しく、安定しているという評価があったのですが、経済危機による財政支出が拡大していることから、今後は財政の安定度についても注視していく必要がありそうです。
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