その背景は?
米ドルは世界の基軸通貨であり、多くの通貨の中でも取引の中心となる通貨とされてきましたが、米ドルが基軸通貨である理由としては、次のような背景があります。
■アメリカは世界最大の経済規模である。
■軍事力は群を抜いている。
■マイクロソフトやグーグルなど世界の最先端企業を生み出す力がある。...など
ポンドから米ドルへ
かつてはイギリスのポンドが基軸通貨であったのですが、第1次世界大戦後、ポンドが国力の減退に伴い力を落とす中で、経済・軍事で急速に力をつけてきたアメリカの米ドルがこれに取って代わりました。
それ以降、ベトナム戦争や2度のオイルショックなどの大きな危機がありましたが、基本的に米ドルの地位が揺らいだことはなかったといえます。
ちなみに、「有事のドル買い」という言葉はよく知られていますが、世界に軍事・経済の危機があるときには、最も安全な逃避先としてアメリカ政府が発行する国債に世界の投資が集中するため、米ドルを買う動きが活発になるケースはよくあります。
サブプライム問題後は米ドルの基軸通貨に疑問符?
これまで世界の投資家の常識として、「何かあっても米ドルだけは大丈夫」という考え方があったのですが、サブプライム問題に端を発する世界的な金融危機により、これからも米ドルが基軸通貨であり続けるかどうか、議論が割れています。
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